嫌いなもの KMC - 何者でもない者の日記

注意！虫が嫌いな人はたぶん読まない方がいいです。

私がこの世で一番嫌いな存在はKMCである。名前も出したくないのでKMCと表記している。けーえむしー。お分かりいただけただろうか。そう、チョウやガの幼虫のことだ。IMMCも嫌いだが、KMCは毒毛で遠隔攻撃してくる分悪質だといえるだろう。ただ、見た目は毛がふさふさしてない分IMMCの方がグロテスクだったりする。セセリチョウだかの幼虫(カブトムシの幼虫を細くした感じのやつ。頭部が黒くて胴体が白く半透明のやつ。セセリチョウじゃないかもしれない。)はIMMCだがかなり嫌いである。現実に遭遇したことがないのが救いだ。

昆虫は好きだった。今も嫌いではない。オニヤンマを見つけたら無条件にテンションが上がる。昔はよく近所で虫採りをしたり、カマキリを飼って死なせたり、昆虫標本を作ったりしていた。なぜKMCは嫌いなのか。

一つ目の理由はただ見た目が気持ち悪い。ニャッキというクレイアニメのキャラクターがいるのをご存知だろうか。IMMCのキャラクターで、顔が「ハ」のようなやつだ。実はあれとよく似た顔のIMMCが実際にいるんだが、本当に気持ち悪い！もうハを見るだけで鳥肌が立つ。ぜひ調べてみてほしい。なんていう種類かは忘れたが、「ニャッキモデル」とかで調べれば出てくるだろう。Google検索では開いたページにどーんと奴の画像が出てくる可能性が高いのでご注意を。

顔も気持ち悪いし、配色も気持ち悪い。うちの庭にはパンジーが植わっていることが多いのだが、パンジーによく赤と黒の毒々しいKMCが発生する。大嫌いである。模様も嫌いだ。祖母宅の里芋にめちゃくちゃでかい黒いIMMCがいたのだが、なんか点々の模様があって本能的に、あ、これはやばいやつだと思ったのを覚えている。気持ち悪い模様で毒があると見せかけ敵から身を守るという手法ならば、私相手に効果は覿面である。あっぱれ。降参。また、動きも気持ち悪い。殺虫剤をかけた時の体をくねらせながら息絶えていく様。勘弁してくれ。

二つ目の理由は、生きていくには装甲が脆すぎるからである。めちゃくちゃ理不尽な理由で彼らには申し訳ないが、許せない。あんなぷよぷよした体、薄い皮膚で生きていけるわけないだろ！いくらなんでも生死を運任せにしすぎだ。もっとちゃんとしてたら道端で潰れて私にトラウマを植え付けることもなかったろうに。しっかりしてくれ。

この理不尽な理由を突き詰めると、貧困者の自己責任論に繋がりそうで怖い。IMMCやKMCが簡単に潰れて死ぬのは体が弱すぎる彼らの責任。貧困者が生きていけないのも自分で稼げない彼らの責任。両者とも自分で左右することのできない原因に基づいている(かもしれない)のに本人の責任にするのは酷であり、制度で支える必要があるという結論に達する。さすがに飛躍しすぎか。

根本的な理由は以上の二つだ。さらに嫌いを助長した出来事がある。

小学校の時の話。外で遊んで帰ってきた時に背中にKMCが付いていた。母親が見つけ外で落としてもらったが、私と母は大騒ぎだった。幸い家に着いてすぐに発見されたので事なきを得たが、そのまま気付かず背もたれに寄りかかったりしたらｱ゛ｱ゛ｱ゛ｱ゛ｱ゛！想像するだけで体調が悪くなる。

また小学校の時の話。家で枝豆を育てていた。枝豆が好きな人は以下閲覧注意である。台風が通り過ぎたら枝豆が実っていた。収穫して食べることにした。茹でて盛り付けて、さあいただこうと中の豆を押し出したら、豆じゃないものと目が合った。もうお分かりですね。あれからずっと枝豆は苦手だ。豆のみ出してあればいいのだが、口の中にダイレクトに押し出す食べ方は一生できない。気持ち悪くなってきた。

あとこれは記憶はないのだが、昔うちの庭にはサザンカがあり、そこに発生したKMCの毒毛でかぶれたことがあるらしい。記憶にはないが恐怖が刷り込まれているのかもしれない。

これだけKMCとIMMCが嫌いと言っているが、アゲハの幼虫だけは大丈夫だ。昔家で飼っていた。割に装甲がしっかりしていること、模様が気持ち悪くないことが理由だと推測する。他に、黒い毛むくじゃらで歩くのが異様に速いKMC、よく道路を横断してるやつ、あいつも平気な方だ。見た目の極悪感が少ないのと、調べたら毒がなかったことが理由として挙げられる。

KMCIMMCの類は本当に嫌いで考えただけで身体の調子が悪くなるのだが、なぜかネットで調べてしまう。見たことないやつを見た時とか。そしてダメージをくらう。Mなのか？怖いもの見たさの心理はよく分からない。

夏場は遭遇しないよう細心の注意を払っている。もっとも警戒すべきはサクラの木である。春のうちにお花見を兼ねてサクラのある場所を把握しておく。そしてサクラが散ったら冬が来るまでそこには近づかない。他の木の下も極力歩かないようにする。今年はこの対策が上手くいったのか、一匹も遭遇しなかったと思う。でも、真に安心できるのは冬だけだ。

嫌いなものはそんなに多くないのだが、一旦嫌いになるとその全てが強烈に嫌いになるタイプである。そして好きに転じることはおそらくないだろう。私とKMCとの戦いは一生続くのである。