何者でもない者の日記

旧タイトルは「法学徒って名乗りたい」。

サボテン

 ここひと月くらい私の頭の3割くらいを占めているもの、それはサボテンである。

 何回か日記にも載せた気もするが、ちゃんと書いていなかったのでここに記しておこうと思う。

 

出会い 2018.9.11

 私はもともと植物が好きで、なんか植物育てたいなと思っていた。中でも部屋の中で簡単に育てられるサボテンがいいと思い始めたのはいつの頃だっただろうか。いいサボテンがあったら買って育てようと思っていたそんな折、近所の百均で運命的な出会いを果たし、家族にお迎えすることにした。

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 トゲトゲしている方がマミラリア、あまりトゲトゲしていない方が柱サボテンという種類らしい。マミラリアというのは種類が多いらしく、ネットで探しても似たようなやつを見つけられていない。そのため本当にマミラリアなのかよく分からない。ちなみにマミラリアにはマミラリア子、柱サボテンには柱子という名前を付けた。

 このマミラリア子が私の運命の子なのだが、別に大した理由もなく、根本が曲がっていて店頭に並んでる中で一番元気がなさそうでかわいそうだったからこの子を引き取ることにした。一体じゃ寂しいかと思って元気そうな柱子も仲間に加えた。鉢だり土だりも一緒に買って植え付けたのが上の写真だ。まだ小さくてかわいい頃だ。ここから私のサボテンライフが始まる。

 

 それではしばらくサボテン達の成長をご覧ください。

 

2018.10.11

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 少し伸びた?

 

2019.4.24

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 順調に成長中。

 

2019.5.12

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 新しいトゲが出てきたところ。

 

2019.7.14

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 気温が上がって一気に成長した。少しひょろひょろしている。この夏は晴れた日は外に出して日光に当てていた。

 

2019.10.16

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 秋になって気温が下がり、外に出すことができなくなったので植物用ライトを買った。

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何かの儀式?

 ちなみにこのライトのせいでご近所さんに変な目で見られるとかイチャモンを付けられ親とガチバトルになった。今は使っていない。

2020.7.9

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 気がついたらすごい伸びてた。

 

初めての植え替え 2020.9.11

 しばらく家を空けていて、帰ってきたらさらに成長していた。そろそろ鉢も窮屈かと思い、植え替えてあげることにした。(後で気付いたのだがこの日はお迎えしてちょうど2年目の日だった。なんか感動した。)

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バラバラ殺人事件

 植え替えるだけのつもりだったのだが、だいぶ徒長している感じがしたので、ついでに胴切りをして株を増やすことにした。何分突然思いついたもので、切る前に写真を撮ることができなかったのが悔やまれる。

 サボテンというのは生命力が強く、こんな風にバラバラにしてもちゃんと手順を踏めばまた再生するらしい。すごい。

 柱子はもともと元気で伸びもよく、根っこもしっかりしていた。マミラリア子は最初に見た時からしょぼくれていたので、根っこもそれらしく弱々しい。でもここまでよく頑張って成長してくれたと、胸が熱くなった。1号たちは根っこを整えて前の鉢に植え直した。

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 最初にお迎えした時くらいの大きさになった。根っこが落ち着くまでしばらく様子見。

 

 一方切り落とされた方は、いきなり植え付けるのではなく、しばらく放置して乾燥させ、根っこが生えてきたら土に植えるのだという。そんなほっとくだけで根っこが生えてくるもんかねと半信半疑だったが、そのようにした。

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なんか巻いとくといいんだって



 本当は切り口に殺菌剤やら発根促進剤やらを塗布しないといけないらしいんだが、彼らの生命力を信じて何もしなかった(めんどくさかった)。すると……

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 根っこが生えてきたのがおわかりいただけるだろうか。切り口は乾燥すると凹むので尖らせるように切ってある。一週間ほどで柱子から切り出した真ん中の部分は見事発根した。毎日毎日、庭に播いたどんぐりの様子を見るメイちゃんのように、サボテンをひっくり返しては根っこ生えてないかなとそわそわしていたので、見つけた時はめちゃくちゃ嬉しかった。

 残る2体はまだ発根していなかったのでどうしようかと思ったのだが、ネットで調べると発根前に植えて成功してる人もいたし、あまりいじくり回すのも負担になるかと思い、3体まとめて植えてしまうことにした。カインズで植木鉢と肥料を買ってきて植え付けた。

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 こんな感じで寄植えにした。かわいくないですか?これで頑張って根を張ってくれるのを待つ。すぐに水をあげていいのかよく分からなかったので、5日くらい待ってから水をやった。

 

2020.10.8

 水をやって一週間ほど経ったので、根付きの様子を確認した。柱子2号は植え付け前に発根していたこともあり、抜こうとしても抜けなかった。3号は植え付け時未発根だったのでどうだろうと思ったのだが、揺らしてみると確かな感触があったのでおそらく根付いていると思われる。やったぜ。

 マミラリア子2号はまだぽろっと抜けてしまった。それどころか、根本についている土を落とすと、なにかふわふわした白いものが付着していた!カビた?!

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 雨が多い時期に水やりしちゃったからかなとか、ちゃんと消毒しなかったからかなとか、2号にはとても申し訳ない気持ちになっている。とりあえずティッシュでカビのようなものを取って植え直した。切り口はしっかり乾燥させたし、短いながらも根が出ていたので、どうにか頑張って成長してほしい。

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よく虫眼鏡で観察してる

 今のサボテン達の様子。彼らのお世話は私にとって生きがいになっている。これからも彼らと共に生きていく。

 

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別れ

以下、就活中の苦悩記録です。

 

 

 

 

 第一志望から内々定が出て、他社の内々定・選考を辞退しなければならなかった。それが本当に辛かったので、記録を付けておく。

 

 志望業界は絞っており、その中でも大手の4社の選考を受けていた。A社はサイレントお祈り、B社は内々定、C社は翌週最終面談という状況で第一志望(D社)の内々定が出た。

 そもそもなぜD社が良かったかというと、詳しくは言えないが、私は最前線で働きたいと思っていて、D社ならそれが叶えられるからだった。社風が合いそうというのも理由の一つだ。OBが面談でたくさん時間を割いてくれたし、実際いい人が多そうだとも思っている。この「最前線で働く」というのと「社風」の2つを満たす会社はここだけだったので、文句なしの第一志望だった。

 しかし、私はC社のリクルーターが大好きだった。その人に選考辞退の電話をするのが本当に申し訳なくて、なかなかダイヤルを押す手が動かなかった。

 

 リクルーター制度について若干説明をしておく。リクルーターとは、会社にいる大学のOBである。エントリーした学生との面談を通して情報を人事に伝えるなど人事の手先かと思いきや、就職活動や面接のアドバイス、会社の内情を教えてくれるなど、学生の応援もしてくれる。人事と学生の中間で暗躍している人々である。エントリーするとリクルーター側から接触があり、面談に呼び出され、なんでも聞いてねと言われつつ、こちらの志望度や人柄を見定められるという怖いシステムである。

 

 D社のリクルーター制度は、ひたすら面談が多く、こちらが頼まずともポコポコ面談が入れられていった。ES添削や面接練習も複数回やってくれて、かなり応援してくれた。大学OBも多いようで数の力を感じた。熱い人が多く、部活の先輩のような人たちだった。私はこの人達が好きだったし、多大なる世話をかけたので、会社に入ったら恩に報いたいと思っている。

 C社は少し勝手が違っていて、3月ごろ面談を2回行い、その後同じ大学の学生の中で人事面談に上げる人を決めるための面談があった。その面談に通った後はリクルーターは完全に学生の応援側につくから頑張ってねと言われていた。通ってからもこちらが頼めば面接練習や面談をしてくれた。

 組織的にこちらを構って囲い込んでくるD社と、静かにサポートしてくれるC社。それぞれの社風と通ずるところがあり、事業内容は同じでもここまで違うものかと面白かった。熱血漢で泥臭いD社も好きだったが、同じくらい静かで真面目で誠実なC社の雰囲気も好きだった。

 

 私が好きだったC社のリクルーターの話をする。Xさんとしておく。Xさんと初めて会ったのは3月上旬、2回目のリクルーター面談の時だった。当時はそんなに志望度も高くなく、2回目やるから来てねと言われたので行った、というくらいだった。

 第一印象は厳しそうな人であった。全然笑わないし、初っ端から事務連絡だし、私のやりたいこととC社は合わないかもしれないと開始5分で言ってきたから、残りの1時間弱やっていけるか不安だった。しかし話してるうちに徐々に慣れてきて、実はいい人なんじゃないかと思い始めた。私が聞いたことはいいことも悪いことも話してくれるし、私の人格をちゃんと尊重して話してくれるし、なによりしっかりした社会人という感じがした。私が留年していることを話すと、じゃあ一緒ですね、私も一浪一留ですよ、と初めて笑ってくれたのを覚えている。結局1時間のはずが30分ほどオーバーしていろいろ教えてくれた。

 

 その後、リクルーター最終面談があると言われ、リクルーターのボスとXさんと私の3人で面談した。その時私は、志望度で落とされるかもしれないというXさんの助言に耳を貸さず、他社と迷っていると正直に言ってしまった。絶対落ちるだろうと思って、帰りがけに「今までお世話になりました」と言うと、また笑われた。その日の夕方、Xさんから電話がかかって来て、人事部への推薦が決まったと伝えられた。その時から完全に私の味方になってくれた。

 

 私の味方であるのだが、C社に絶対に入れようというのではなく、私が本当に納得できる会社を選んでほしいと言ってくれた。いろんな人に話を聞いて、私に合う会社を選んでほしい、そのために必要なことがあればなんでもやるよという風に。なんなら今までの仕事のツテを辿って他社の人でも探してきてあげるとまで言ってくれた。会社に入れるためではなく、本当に私の人生を考えてくれている人だった。

 その後も面接練習や、OBではない法学部の社員との面談を設定してくれたり、たまに電話をかけてきたり、いろいろ気にかけてくれた。

 

 何が好きだったかと言うと、真面目な雰囲気、社会人としてこうありたい、しっかりした人になりたいという私の理想にぴったりの人だった。好きというか、憧れ、尊敬できる人だった。経営陣と近い距離で仕事をし、頭が切れると一目置かれるような人なんだろうなと推察した。必要以上にヘラヘラしないところもかっこよかった。他社含め多くの人と会ったが、この人と一緒に仕事がしたいと一番思う人だった。

 面接練習くらいから、私はC社が第一志望ですと言うようになった。生存戦略として嘘でも言えるようにならないといけないと思ったから。真面目な雰囲気に惹かれたため、御社が第一志望です、と。しかし、心の中ではやはりD社が第一志望だった。それはXさんには確実に見抜かれていたと思う。だから居心地が悪かった。尊敬する人に自分が嘘を吐いていることがバレるというのは私にとってだいぶ苦痛だった。それでも私のことを応援してくれていて、なおさら申し訳なかった。

 人事の一次面談の後電話をくれた。まだ結果はわからないけど、全然心配してない。これからも業界研究を続けてください。何か困ったことがあれば連絡してね。いつもと変わらず。一次が通った時にはメールをくれた。おめでとう。人事部の評価はこうでした。最終に向けて頑張ってね。いつものように難しい漢字とことわざを用いた堅い文章だった。

 堅い文章を送ってくる人だったが、一回(笑)を使ってきたことがあって、あなた…笑うんですか…?と思ったことがあった。それはちょっと面白かったし、そこら辺からこちらも安心して話せるようになってきた。

 

 D社に内々定が決まって、各社選考やら内々定やらを辞退しないといけなくなった。C社は最終面談が残ってたから、それを受けてから決めてもよかったんだけど、心はやっぱりD社に決まっていたから、辞退するなら早いほうがよかろうと、電話することにした。でも本当に、今までかけてくれた時間と、その人との縁が切れる寂しさとで、1時間くらい動けなかった。でもやっぱり、早く連絡して断って今までの御礼を言うのが筋だろうと思って、えいっと電話をかけた。私から電話をかけるのは初めてだった。

 

 電話に出た声はいつもより明るく感じた。私は昨日D社から内々定をもらって入社を決めたと話した。すると、最初の声のトーンからそうだろうなと思いました、と言われた。そこでもう我慢できなくてボロボロ泣いた。悪いことをして謝りに行ったら逆に慰められて泣くみたいな、相手の優しさに安心しつつ、申し訳無さがパンクして涙となって溢れてくる感じ。いっそのことブチ切れて罵倒してくれた方が楽だった。涙は止まらなかったが泣いてるのがバレたくなくて頑張って声を抑えた。鼻声だったからバレたかもしれない。

 一応理由を教えてもらえますか、と聞かれ、やはり私は最前線で働きたかったと言った。C社は経営方針が中央集権型で、ちょこっと現場に出たら後は内勤ということが多い。それは私のやりたいこととは合わなかった。この話は最初からしており、向こうも知っていた。そう話すと、自分はC社のリクルーターだけど、その判断は正しいと思いますと言ってくれた。あぁ、やっぱりこの人は全部分かってて、たぶんD社とC社ならD社を取ると知っていて、それでも私のことを応援してくれて、私の選択を後押ししてくれるんだなと、感謝と申し訳無さでさらに泣いた。

 C社を受けていた同じ大学の学生の中で他にもD社に行くと連絡してきた人がいたらしく、だから電話に出る声がいつもより明るく感じたのかと思った。たぶん私から電話がかかってきた時に全て察して、私が話しやすいように努めて明るくしようとしてくれたんだと思う。今までお疲れ様、おめでとうと祝ってくれ、これから大変だろうけど頑張ってね、もし就職活動以外でも困ったことがあればいつでも連絡してねと言ってくれた。

 2回目の今までお世話になりましたの挨拶が、このような形で訪れるとは思っていなかった。選考に落ちて言うことになると思ってた。それはそれで辛いだろうけど、結局こちらが選ばなかったという、私の意思決定によってXさんを裏切ることになってしまったのがとても辛かった。同業だからどこかで会ったらよろしくお願いします、お身体にお気をつけて、と言って電話を終えた。

 

 電話中ずっと泣いてたんだけど、電話が終わってからも、今後なにかの奇跡が起きないと関わる機会がないというのが辛くて1時間くらい泣いてた。内定辞退が別れ話に聞こえるというのは本当にそうなんだろうと思う。私も今この文章を書いてる時にこれは別れ話なのか?と思っている。

 3ヶ月くらい、自分の内面を晒して、定期的に連絡をとって、何かを応援してもらうというのは、それはもう就職活動を超えた人間と人間の関わりだろう。でも就職活動のための関係だから、それが終わればその縁も切れてしまう。もっといろんな話をしたかったし、いろいろ教えてほしかったし、一緒に仕事をしたかった。Xさんにとっては私は数多くの学生の一人かもしれないけど、私にとってはとても大きな存在だった。たぶん街でC社の看板を見つけるたびにXさんのことを思い出すのだろう。

 

 就活は割と舐めてかかっていたというか、そんな一瞬の面接でなにがわかるか、運ゲーだろと思っていた。だから自分が就活でここまで心を痛めるとは思っていなかった。でも、今の所やりたい仕事、関わりたい業界が明確に決まってそれに向けて頑張れた、そして尊敬する社会人に出会えたというのはなかなか幸運だったのではないかと思っている。面接の準備とかすごい面倒くさかったけど。きっといい会社に入れたんだと思うから、Xさんにいつか会った時に、こいつ頑張ってるなと思われるように働きたいと思っている。

 

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好き嫌いについて

 どんなものに対しても好きな部分と嫌いな部分はある。全部が好きなんて嘘だろう。もし嫌いなところがないとしたら、対象への理解が足りていないのだと思う。

 

 私は好きなものに対する嫌いという感情に鈍感である。意図的に見ないようにしているのかもしれない。その方が楽だから。単純な人間なので好きと嫌いが共存するとどちらに振るべきか処理しきれなくなる。面倒くさがりだから悩みたくない。嫌いな部分が少しでもあると嫌いになってしまうかもしれない。だから、嫌いなところに目を向けない。多少嫌でもなかったことにしてしまう。許容するのではなく、気付かない振りをするだけ。

 

 でもこれではいけないと思った。嫌いな部分も含めた上で好きになるべきなんじゃないか。嫌なところがあるからこそ、好きなところがより輝くのではないか。好きな部分だけ見て好きと言うより、嫌いな部分もあるけどそれでも好きだと言う方が、より大きな愛と呼べるのではないか。

 

 それに、嫌いな部分も紛れもなく対象の一要素である。それを無視してその対象を語ることはできない。全部の要素を勘案した上で好き嫌いを判断するべきだろう。

 

 これは自分自身に対しても言えることだ。自分の弱さ、ダメさを受け入れることができて初めて自分を理解したと言えるのではないか。私はもっと悩んだ方がいい。こんな自分でいいのか、好きであるべきなのか、嫌いになるべきなのか、正面から向き合わなければいけない。

 

 嫌いと言うことは辛い。対象が人なら傷つけてしまうだろう。だが、自分という人格を固めていくには嫌いも表明していかなければいけない。何を是とし何を否とするかは、人格を形成する重要なファクターである。嫌いという感情があるから、好きに価値が生まれるのではないか。選択する勇気を持つべきなのではないか。

 

 しかしこれは、どんなことにも事情がある、どんな人にもその人なりの考えがあるという私の信条と対立しかねない。表面的には許せなくても、なにか理由があるかもしれないと考えると、迂闊に判断できない。そんな風に生きてきたから、好き嫌いセンサーが働かなくなっているのかもしれない。何事にも自分の知り得ない裏があるのだから考えてもしょうがないという諦めが、心を鈍らせているのか。でもそれは考えることを放棄しているのと同じだ。私は私の心の軸で、世界を判断できるようになりたい。そのためにも、何が嫌いなのかをもっと考える必要があると思った。

 

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農業バイト最終報告

 先日、4週間に及ぶ農業バイトが終了した。

 

 最後の一週間が一番楽しかった。新しいバイトの人がやってきたことが大きい。というのも、それまで私は外部の人間であった。埼玉から来たバイトの人。一番その家族から遠い人物。だから慣れてきたとは言え彼らとの間には壁が存在していた。そこに新たに外部の人がやってくると、私は迎える側の人間、相対的に内側の人間になる。仕事を教えたり、家の案内をすることで、私はより家の人たちに近づいたような気がしていた。実際分かることも増えたし、新人さんに比べれば仕事はできるから、頼られることもあった。そして、新人さんに負けないように頑張らなければいけないという意識もできた。

 ライバルの存在は重要なんだと思った。負けず嫌いなので、同じくらいの実力で戦う仲間がいると頑張れる。一人だけ、もしくは周りと圧倒的差があると、マイペースさが顔を出して一気にのんびり屋になってしまう。そして追いかけるより追われる方がやる気が出るタイプである。自分一人でも頑張れる心の強さがほしい。

 そんな感じで家の人と少し距離が縮み、仲良くなった気がして、仕事が前より楽しくなったタイミングで最後の日が来てしまった。ぶっちゃけもう帰りたいと思っていたが、いざ帰るとなると今までの思い出が蘇って涙が出た。もともと別れには弱い人間だ。おばあちゃんの家から帰る時とか卒業式はもちろん、教育実習生がいなくなる時とかでもほぼほぼ泣いていた。そんなやつがひと月いた家から去る時に泣かないわけはない。この家の人がもっと嫌な人だったらよかったのにとか、嫌だった所とかを考えてショックを和らげようとしたがあまり効果はなかった。お父さんの変な科学の話とか、お母さんやパートのお姉さんとの適当な会話が楽しかったんだなと気付いてしまった。帰る前日は隠れて泣いていた。

 私は感情を素直に口に出すのが苦手で、行き場をなくした言葉達が心の中で渦巻いて涙となって出てくるような感覚。帰りたくないって素直に言えたら楽なんだろうな。泣くのが恥ずかしくて涙をこらえようとすると余計涙と嗚咽が出てくる。でも、話すと自然と落ち着いてくるということがちょっと分かった。

 最後の日も変わらずキャベツを切り、部屋の掃除をし、犬や猫にさよならを言い、飯を食って家を出た。最後挨拶する時泣いていたのは帽子とマスクで気付かれていないことを祈る。

 

 なんとか体調を崩すこともなく、大きな怪我をすることもなく、無事4週間を終えることができてよかった。普段の生活とはまったく異なる世界を経験でき、有意義だった。

 振り返って思うのは、他人と暮らすことは大変だということ。赤の他人と暮らしてみて初めて自分の神経質さに気付いた。臭いに敏感なのは分かっていたが、床のゴミとか、食器の汚れとか、衛生面にかなり気を遣っていたのだと分かった。あと、自分の家はかなりきれいな方なのだと分かり、母に感謝した。

 衛生面では神経質であるが、それ以外の面でルーズな部分は多々あるのだと思う。全面においてA、というような性格はあまりなくて、この部分だとAだけどこの場合はB、というように、一貫性がないのもまた人間なのだろうと思う。

 大変と言ってもひと月も暮せば大抵のことは慣れる。そして、少しくらい迷惑をかけても相手はなんとも思っていないことが多いのではないかと思った。遠慮や気遣いはもちろん必要だが、少々図々しくてもいいのかもしれない、それを許し合えるのが家族なのかもしれないと思った。

 

 

 他にも色々思ったことはあるが、長くなりそうなので別記事にしようと思う。ひと月の思い出を写真で振り返って終わりにしたい。

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スタイリッシュ看板

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こんにゃく畑 それにしても雲が低い

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キャベツ畑

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家の犬 ラブちゃん

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黒猫

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いい天気

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朝焼け(AM4:00)

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梅雨の晴れ間

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ホタルブクロ 初めて見た

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富良野っぽい

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いえい

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ソーラーパネルの丘

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シシ神様と邂逅しそう

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でかいトウモロコシ

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めちゃめちゃいい天気だった

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農業用水の調整池

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いい景色

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👀

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汚ねえねこ

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子猫

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激かわ

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ちょっとずつ成長してる

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長生きしてね

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カビゴンみたいなタンク

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おばけとうもろこし

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指引っかかれてめちゃめちゃ痛かった

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部屋にあった掛け軸とたぬき 見守られてた

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コネコチャン

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反則級

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芽キャベツ

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スプリンクラー立てた

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マルチ干してたハウス めちゃくちゃ暑い

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このポーズねこあつめで見た

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家で採れた野菜 白いゴーヤ

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バスはある

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駅前にお花畑

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さよなら沼田

 

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農業バイト中間報告②

 長かった梅雨が明け、農業バイト生活は3週間が経過した。前回の記事を①にしてしまったので②も書いておこうと思う。

 

 3週間を過ぎたがまだなんとか続いている。先週疲れがピークの時に雨で午後休が2日ほどあったのが助かった。週一で休み(しかしキャベツ切りはあり)を取れるけど、タイミングがないことと、一番疲れるのがキャベツ切りなので休みの意味があまりないという理由で取っていない。あと数日だしこのまま突っ走ろうと思うが、手はなんかしらんけど腫れてるしばね指は悪化するし体中筋肉痛じゃない謎の痛みがあるし限界を感じつつある。帰宅した時体調崩しそうで怖い。睡眠だけはしっかり取ろうと思う。

 

 仕事はかなり慣れてきて、次にどのようなことをするのか予想できるようになった。作業もコツを掴んできてスピードが出せるようになってきた。でもやはり使い物になるまで3週間くらい要したので、ひと月だけのバイトではあまり能率アップにならないんだなと思った。もっと要領よくて体力のある人を雇った方がいい。

 

 仕事に慣れては来たが、やはり難しいところもある。すべての基準が曖昧というのが私にとって最も大変に感じる。キャベツの表面に黒い斑点がどのくらい付いていたら出荷できないのか、どのくらいの大きさの雑草ならむしらなくていいのか、こんにゃくの葉の病気は薬が付いていたら刈らなくていいけど気になるなら刈ってもいいって結局どうすりゃいいんだとか、家の人は長年やってるから勘とかノリとか雰囲気で分かるんだろうけど、ひと月弱のぺーぺーにはその感覚がまだつかめない。その判断に無駄な時間を要してしまうからなかなかスピードが上がらない。しかもその基準は気分によって変動するようだからもっと困る。揺るがない基準がほしい〜。まあ適当にやるんだけど。

 

 イモムシはだいぶ慣れてきて、見つけたら驚くけどその後葉っぱごと切って道に晒し者にするくらいの余裕はできた。こんにゃくに付くセスジスズメの幼虫はなんかかわいいかもと思ってきた。強くなった。アメリカシロヒトリはみんな成虫になったため毛虫問題は一挙に解決して助かった。

 

 梅雨が明けたと思いきやいきなり暑くなった。高原で避暑をしようという思惑は完全に外れた。それでも地元よりは湿気が少ないのでマシに感じる。

 ここに来て晴れの大事さを痛感した。毎日毎日雨に打たれながら仕事だとかなり気が滅入る。暑くても太陽が出てくると気が晴れる。家のお兄さんは新潟に住んでいるのだけど、新潟は雨が多いから人々が暗いと言っていた。真偽の程はわからないが、あながち間違いでもないかもと思うくらいには太陽の偉大さが身に染みた。

 

 長いと思っていたひと月もあと6日で終わる。ここの人はいい人たちだし仕事も楽しいけど、正直早く帰りたい気持ちが強い。夜ふかしして昼間まで寝たい。あと少し応援よろしくお願いします。

 

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家の車庫で産まれた子猫達。マジでかわいい。

 

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農業バイト中間報告①

 某県での住み込み農業バイトを始めてから早いもので12日が経過した。今までの様子をレポートしておく。(始めた経緯は前記事で。大した理由ではない。)

 

【一日の生活】

4:00 起床、朝ごはん

5:00 仕事開始

        途中約15分休憩×2

12:00 お昼

13:30 仕事再開

15:00 仕事終了 

          自由

18:30 夜ご飯

20:00ごろ 就寝

 

【仕事内容】

・キャベツ切り、計量

・水やり

・草むしり

・苗の植え付け 

追肥、薬撒き etc...

 

 メインの仕事はキャベツ切り。毎日コンテナ200ケースくらい、約1600個のキャベツを収穫して出荷する。朝5時に始まりだいたい10時ごろまで、長い時は11時ごろまでかかる。包丁で根元を切って外の葉をむしってコンテナに詰める。1コンテナ14.2kgで出荷可能で、詰めたコンテナをひとつずつ計量しないといけない。非常にしんどい。えっちらおっちら人の手で量る。これが毎日の仕事。その後は草をむしったり苗を植えたり肥料をやったり日によって異なる。

 

 今思っているのは、人間一週間くらいあれば体力的にしんどくても適応できるんだなということ。私は非体育会系で体力なんて全くないが、1日8時間弱の肉体労働にだいぶ慣れてきた。最初めちゃくちゃひどかった筋肉痛もだいぶマシになったし、コンテナを腕の力だけで持ち上げられるようになってきた。痣も消えてきた。

 

 なにより大事だと思ったのは、全てを全力投球しないということ。全部100%の力でやったら途中でぶっ倒れる。実際2日目のキャベツ切りで頑張りすぎて熱中症になりかけた。長く続けるためには八割くらいの力で気を張りすぎずやるのが大事なんだという、人生で割と重要そうなことに気付いた。

 

 それでもやっぱり仕事はキツくて、腰痛と手の指の痛みがひどい。特に草むしりがしんどい。立った視点からは苗の根元の雑草は葉っぱで隠れて見えないから、いちいち屈んで葉を手で除けて確認しないといけない。そうすると腰に来る。農家ってお年を召した方が多いと思うんだけど、マジで尊敬した。とんでもねえ。

 

 仕事以外に辛いのは虫。作物や畑に虫がいるのは覚悟していて、実際キャベツにちっちゃいイモムシがいてもどうにかスルーしている。しかし、家の玄関の前に大きな桑の木があって、アメリカシロヒトリが大量発生しているのは計算外だった。風が吹けばぽろぽろ落ちてくる。常に地面を10匹ほど歩いてる。地獄かと思った。その奥にハウスがあるから通らなきゃいけないので、仕方なく毛虫が少なそうな所を走り抜ける。仕事以外でこんなに苦しむとは思っていなかった。 

 

 農家バイトは受け入れ先によって大変さが違うと言うけど、私が来たところはいい人で良かった。お父さんお母さん息子さん、パートのお姉さんと私で仕事。家には週末に帰ってくる娘さんと犬と猫たち。皆さん私に優しくしてくれる。指示がよく分かんなかったり何言ってるか分かんないことはままあるが、人間関係で辞めることはなさそうだ。

 

 荷物が多かったからギターを持ってくるかギリギリまで悩んで結局持ってきたんだけど、正解だった。いくらいい人達とは言え、頼るあてのない田舎で他人と共同生活を送るのはなかなかストレスが溜まる。山崎まさよしを流しながらギターを弾く時が一番心安らぐ。

 

 やばかったら帰ろうと思っていたが、とりあえずは続けられそうだ。あと3週間弱持ち堪えられるだろうか。

 

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